食生活を見直すチャンス

【1人目】

体重管理は難しい

妊娠後期、体重の増加が止まりません。まだイエローカードもレッドカードも出ていませんが、このままいくと出産までに10キロ増ではすまない予感がしてきます。 ちなみに妊娠8か月で転院する予定なので、この病院では注意を受けなかったとしても、転院先ではわかりません。何とか体重をコントロールしなければ!

ところが、考えてみても普段の食事摂取量が多いとは思えません。妊娠前より食べる量は増えているかもしれませんが、暴飲暴食をしているわけでもなく、体重はグングン増えるのです。体重が増えたからと言って、妊婦なので絶食する訳にはいきません。

「こうなったら運動だ」と、ウォーキングの頻度・時間を増やしますが、「よーし、まだまだ歩くぞ!」というところで徐々にお腹が張ってきてしまいます。お腹が張るのは赤ちゃんが苦しがっている証拠ですから、これ以上無理をするわけにはいきません。

「運動で体重を何とかするには時期的に遅すぎたかも」と、ようやく気が付く私。運動以外でできることと言ったら、食事を減らすしかありません。 葉酸をたくさん摂るべき時期を過ぎていることもあり葉酸のサプリメントはとっくに止めていますが、少し貧血が気になり鉄分のサプリメントを飲み始めました。

とにかく今は炭水化物を控えめに、糖分もなるべく減らすために菓子パンは食べず、たんぱく質よりも野菜を多めに摂ります。 しかし、体重計に乗ると、前日よりも増えています。また翌日、同じように食事を摂り、体重計へ。増えている。なぜでしょう。

お腹の子どもはまだ体重計の数字に反映されるほど大きくないはずです。空気を吸うだけでも太るのかしら?妊婦の体は謎だらけです。 当時太っていた夫に相談すると、「わかる、わかる!」とのこと。普通の肥満と一緒にしないでもらいたいと思いつつも、賛同してもらえて少し気持ちがラクになりました。

食べる量が増えていることを自覚した妊娠中期から、もう少し何とか手を打つべきでしたが、「時すでに遅し」「後悔先に立たず」です。 ちなみに、出産直前になってくると、胃が圧迫されるため、食事の量が明らかに減ります。

お味噌汁1杯でお腹いっぱいになるくらいです。食べ過ぎると戻してしまいそうになるため、ちょっと多めに食べるなんてまず無理です。 そんな状況の中、夫と共にラーメン屋さんへ。うっかり無理をして普通盛のラーメン一人前を食べ、その後、3時間寝込むという事態になってしまいました。

出産したらラーメンなんてしばらく食べられないと思ったら、なぜか食べられてしまったのです。このとき、寝込んでしまった原因は、食べ過ぎというより継続的な便秘が原因だったようですが、トイレとソファーを往復するという地獄のような3時間は二度と思い出したくありません。

その約2週間後に出産。食事の量が減ったため、体重の増加は止まりましたが、便秘とは出産後までの長いお付き合いとなりました。 ママが食べるものは子どもに届きます。生まれてくる前にしてあげられることは限られていますから、私のようにならないよう、ぜひ食生活を見直し、まだ見ぬ我が子に質の良い栄養を送ってあげて下さい。

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【2人目】

糖尿病の疑い

後期に入るとお腹がグッと出てきます。第1子の時は後ろ姿からは妊婦だと分からないくらい前にドンと出ましたが、今回も同じ。お腹がドンと前に出て、もうすぐオヘソがひっくり返ってしまいそうです。 オヘソがひっくり返るなんてなかなか経験できることではありませんから、この貴重な光景をしっかりと目に焼き付けておきましょう。

2人目の健診で大事件勃発。何と妊娠性糖尿病の疑いがあるとのこと。「え??何それ?上の子の時は言われたことなかったよ?」 驚きながらも先生の話を聞くと、前回の採血の結果、血糖値が異常に高く出ているとのこと。妊婦には時々あることで、非妊娠時に血糖値に異常が無くても、妊娠中に血糖値が上がってしまうことがあるそうです。

妊娠性糖尿病と診断されると、血糖管理の練習(血糖値の測定・インスリン自己注射など)や食事療法をするために短期間の入院が必要となり、入院後も自宅にて同じことをしなければなりません。 後日改めて「ブドウ糖負荷試験」という検査を行い糖尿病かどうかの判断をするので、朝一番に病院に来てください、とのこと。

もうすぐ2歳になる長男と二人で過ごせる、出産前のまでの残りわずかな日々を入院に費やすだなんて絶対に嫌です。しかし、一度高血糖という結果が出ている以上、今さらどうしようもありません。「なぜ急にこんなことに」と驚く私の頭に、あの日の記憶がよみがえりました。

ちょっと思い当たる節があるのです。前回の健診の日、午前中に長男を病院に連れて行き、全て終わったのがお昼前。 午後1時から健診だったので昼食を作る時間がなく、近所のお弁当屋さんでお弁当を買い、自宅にて慌てて完食、そのまま電車に飛び乗り病院へ。

そして、ちょうど血糖値が高くなる食後1時間~2時間で採血をしたのです。 「ひょっとしてそれが原因では?明太高菜弁当だったから、自分で作る食事よりもかなり塩分がきつかったし。きっとそれだ」

ブドウ糖負荷試験の日までの約1週間、私にできることはなんだろう。もちろん検査のために特別なことをしては検査の意味がありませんが、そもそも、あの採血の日の食生活が異常だったので、いつも通りに食べていれば高血糖にはならないはずなのです。

とはいえ、入院するか否かがかかった重要な検査。確かに今まで妊婦だというのに、それほど食事に気を遣っていませんでした。 菓子パンや自作のお菓子をほぼ毎日のように食べ、子供の食べ残しに手を伸ばし、それほど運動もしてきませんでした。

高血糖という結果が出ても仕方がなかったのかもしれません。 もしかしたら食生活を見直すきっかけを与えてもらえてラッキーだったのかもしれません。

そこで、妊娠性糖尿病について調べ、これから出産までの食生活に対するマイルールを作ることにしました。 まず、当然間食は禁止。朝はパンをやめてご飯食に変更。昼はほどほどであれば炭水化物を摂っても良いことにしますが、夕飯は一番最初にサラダを完食し、その後におかずを食べることにします。

この生活を続けることで血糖値の上昇を防げるはずです。 マイルールに基づいた食事を初めてすぐに、体の変化を感じます。まず、空腹を感じる時間ができました。今まではキッチンを通るたびにパクっとつまみ食いをしていたので、お腹が空いたと感じる暇がなかったのです。

また、後期なのにもかかわらず体が軽くなったような気がします。今までどれだけ無駄に食べていたのかと恥ずかしくなってしまいました。 この調子でいけばブドウ糖負荷試験はきっと大丈夫、そしてこのまま出産するその日まで、健康的な食生活を続けるぞ!

マイルールを順守し約1週間が経過、いよいよ検査です。 ブドウ糖負荷試験は、まず空腹の状態で採血・採尿。そして、そのすぐ後に、瓶に入ったブドウ糖入りの甘いソーダのようなものを一定量飲みます。その後、一定の時間をおいて何度か採血・採尿し血糖値を測り、糖代謝が正常かどうかを調べます。

検査中はずっと病院にいなければならず、正しい検査結果を得るために、階段を昇降するなどの激しい運動は禁止。もちろん水分摂取も禁止。 要するに、「ここまで来てジタバタしても無駄ですよ」ということでしょうが、私は1週間かけて体を整えてきたので、今さら慌てません。

そもそもの始まりだった採血の日、あの日の食生活が異常であっただけで、私の予想ではいつも通りに生活していれば高血糖を言い渡されることは無かったはずなのです。 「大丈夫、大丈夫」と心の中でつぶやきますが、何とも落ち着かない午前中の数時間でした。

検査結果はすぐに出ます。何度も採血した上に一度失敗されているのでので両腕が穴だらけ。しかし、そんなことは結果さえ良ければどうでもいいのです。 診察室に呼ばれ、先生から「大丈夫でしたよ」と言われた瞬間、全身の力が抜けたことを覚えています。ああ、本当に良かった!

万が一、私が入院になっていたとしたら、長男を実家に預けなければなりませんでした。まだまだ甘えん坊の長男。私のお腹を触りながらではないと眠れません。 そんな甘えん坊を出産よりも早くに預かることになるかもしれなかった実家の母も、私の検査結果を聞いてほっと胸を撫で下ろしたことでしょう。

妊娠性糖尿病と診断されると本当に大変な妊娠生活を送らなければいけません。 そうならないためにも塩分、栄養のバランスには気を付けてください。 もし、栄養管理をする自信がないという人は、無添加の調理済み食材が結構よかったで紹介している冷凍おかずを利用するのもいいでしょう。 1食分(3品)で塩分3.5g以下、カロリー400kcal以下。添加物は一切使っていませんし、野菜は国産のみを使用しています。 尚、どんな味付けなのかについては上のページにて詳しく書きましたので参考にしてください。

その後の食生活

妊娠糖尿病の疑いが晴れ、気分は快晴。思わずスキップをしたい気分になりますが、それにはお腹が大きすぎるので心の中でスキップしましょう。 心配事が消えたので、あとは予定日までの数週間を存分に楽しまなくては!

毎日昼過ぎから、買い物ついでに長男と共に1時間程度のお出掛け、そして帰宅するとおやつタイムとなりますが、私は食べません。だってマイルールを決めましたから。 もはや間食なしでも我慢できるようになった私の体。おいしそうにおやつを食べる息子を眺めつつ白湯を飲む、これで十分なのです。

この頃、ルーチンになっていたのが夕食でサラダを一番初めに食べること。お腹の赤ちゃんが大きくなり胃を圧迫されるせいで、通常でも食事量が減りがちになる後期ですが、食事の初めがサラダなので、それだけでお腹がいっぱいになることもしばしば。肉・魚などのたんぱく質をほんの少しだけ摂り、便秘防止のために飲むヨーグルトを飲む、これで食事終了です。

すでに体重が非妊娠時と比べて10キロ増えていたので、これ以上増やす必要もありません。 こんな食生活が出産するその日まで続きましたが、体はすこぶる快調、出産もスピード出産でした。 「妊娠中は自分の欲を満たすために食べるのではなく、お腹の子どものためにしっかりと考えて食事を摂らなければならないのだな」と、2人目を生んでから改めて思いました。

長男を生んだ時よりも2歳年を取った私。元気に毎日過ごしているようでも、2年前と比べれば体の機能はどこかしら劣っているはずです。それなのにも関わらず、前回と同じか、さらにバランスの崩れた食事をしていては、どこかでその付けが回って来てもおかしくありません。

妊娠性糖尿病は疑いで終わりましたが、もしも何事もなく健診が終わっていたら、食事内容を改善することなく出産まで過ごしていたはずです。 空腹を感じない毎日を過ごし、糖分過多でも気にしない、こんな生活を続けていたら、他の違ったところでボロが出ていたかもしれません。

昔から運動大好き、健康一筋で来た私の人生の中で、糖尿病を疑われるといった衝撃事件が起こった今回の妊婦生活でしたが、結果的には妊娠中だけでなく産後の食生活を見直すきっかけとなりました。 万が一、千が一、億が一、再び妊娠することがあるとしたら、次こそは食事管理を怠らず、健康的な妊婦生活を送りたいと心から思います。 ママの口は、赤ちゃんの体につながっているのですから。赤ちゃんのためになら、ママは何だってできるはずなのです。

後期に必要な栄養素 まとめ

妊娠後期とは8ヶ月(27週目)から出産する10ヶ月(40週前後)までの間を指します。 この頃の赤ちゃんは骨格がしっかりし、顔の表情も豊かになる頃です。 骨骨した身体に脂肪が蓄えられ、体重が著しく増加するので、ほぼ新生児と変わらない状態まで成長します。

一番無理をしてはいけない時期であり、一番食生活を気にしなければいけない時期でもありますので、妊娠後期に必要な栄養素はしっかり把握しておきましょう。

妊娠後期に必須な栄養素は「鉄分」です。鉄分とはミネラルの一種で血液の赤血球を作る大事な働きをしています。 鉄分が不足してしまうと赤ちゃんの栄養源である血液が薄くなってしまうだけではなく、お母さんが貧血で倒れたり身体がフラフラしたりします。

後期は特に赤ちゃんへの供給が多くなるので、いつもの食事だけだと気付かないうちに貧血になっている事もあります。 私は3人目の時にヘモグロビンの値が基準より下回り薬を処方された事がありました。 自分では起立性貧血くらいしか自覚症状が無かったので、ビックリした記憶があります。

鉄分には、吸収率が良いヘム鉄という部類と吸収率が悪い非ヘム鉄に分けられるのですが、妊娠中に適しているのは非ヘム鉄と呼ばれる植物性の鉄分です。 ヘム鉄の部類に含まれるレバー等の動物性鉄分には、摂取制限があるビタミンAが含まれているから注意が必要です。

私はレバー大好きなので必要以上に食べないよう心掛けながら、ひじき、煮干、ほうれん草等の非ヘム鉄が豊富な食べ物をを毎日食べていました。 煮干はおやつにすると間食での体重増加を防げますし、ほうれん草とひじきは副菜に最高の食材なので使いやすいです。

ほうれん草たっぷりのシチューや、ベーコンのバター炒め、ひじきと本だしをご飯に混ぜるだけの「ひじきご飯」は鉄板メニューでした。 両方とも調味料をかけて食べるだけでも美味しいので、常にストックしておくと良いです。

そして、後期のトラブルに最適な栄養素は「食物繊維」です。 皆さん妊娠後期になってから「お通じが来ない」「便が硬いけど、力んだら産まれそうで怖い…」という機会が増えていませんか?

妊娠中は胎児に腸が圧迫されて腸の動きが弱まる事で便秘に悩まされるケースが多くあります。 特に後期はお腹の赤ちゃんの大きさがピークを迎えるため、初期や中期よりも便秘になる確率が上がってしまうのです。

食物繊維はキャベツやリンゴ、昆布等の海藻類に多く含まれている他、食物繊維を効率よく摂取出来る粉末タイプの栄養補助食品もあるので上手に使い分けてみて下さい。 お腹の赤ちゃんに負担のない排便ができるように、しっかり食物繊維で柔らかい便を作ることが大事です。

色んな困難がありますが、会えるまでもう少し!可愛いわが子のためにトラブルを一つづつ乗り越えていきましょう。

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