電車が好きになります
息子は電車が大好き
兄弟そろって電車が大好きな我が子。毎日のように電車を見に出かけ、家に帰ればプラレールで遊び、テレビを付ければ電車のDVD。 誕生日、クリスマスのプレゼントは電車関係のおもちゃという我が家。
そんな子供たちを持ちながら、「電車で行くとちょっと遠いね」と、今まで避けていた鉄道博物館でしたが、「親が頑張れば何とか行けるかな?」ということになりました。 鉄道博物館、通称「てっぱく」は埼玉県さいたま市大宮にあるJR東日本のテーマパーク。
「博物館」なので鉄道の歴史や鉄道のしくみを勉強できるのはもちろんのこと、巨大な鉄道模型の展示や運転士の体験ができるアトラクションがあり、幼児でも楽しめるようになっています。 ちなみに、同じ埼玉県に住みながらも「鉄道博物館」を避けていた理由は、「我が家から電車で大宮に行くには時間がかかってしまう」、「いつ行っても絶対に混んでいるであろう」という思い込みがあったからです。
なので、今までは「てっぱく」の存在自体をわざわざ子供たちに教えることをせず、今までは車で行ける距離にある鉄道公園に出かけていましたが、3歳の次男にとってはちょうどいい規模であっても、5歳の長男にとってはちょっと物足りなくなってきました。
そんなある日、図書館で「てっぱくにいこう」という鉄道博物館のガイド本を発見!思わず長男に渡したことが、今回の「てっぱく」行きにつながったのでした。 自宅で「てっぱくにいこう」を熟読する5歳児。
博物館内のガイドだけでなく鉄道のしくみが書かれているページがあり、夜寝る前に読んでいた絵本の代わりに「ATSとATCの違い」の項目を読んでくれと言われることすらありました。 事の発端は「てっぱくにいこう」を長男に渡してしまったことなので自業自得、やむを得ません。
そんなある日、幼稚園行事の振替え休日で月曜日がお休みになるということが判明。長男は当然のことながら「てっぱくに行きたい!」と言い始め、ちょうど夫も都合が付いたので、ついに我が家も行くことになったのです。
行くのが決まってからというもの、長男の「てっぱく」熱はさらにヒートアップ。「べんきょうしなくちゃ!」と「てっぱくにいこう」を開き、「ママ、あのね…」と教えてくれます。 これで万が一予定がキャンセルになったりしたら大変。
毎日天気予報をチェックし、しっかりと手洗いうがいをさせ、体調を整えます。 そして月曜日、ついに鉄道博物館に向けて出発したのでした。
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いざ、「てっぱく」へ
我が家から「鉄道博物館」へ行くには、まず私鉄とJRを乗り継ぎ大宮駅へ。そこからニューシャトルという新交通システムに乗ってようやく到着です。同じ埼玉県に住んでいながら、移動時間はおよそ2時間。
大人だけで出かけるなら2時間くらい大したことありませんが、5歳児は良いとして、3歳児が大変です。電車が好きなので、乗ってしまえば外の景色を見て静かに過ごせるのですが、乗るまでがバタバタ。
歩きたがらないので抱っこ。好きな種類の電車でないと乗りたがらず。乗ったら乗ったで「こっちじゃなくてあっちに座る」と駄々をこねます。わがままをササっとかわしつつ、ようやく途中の乗換地点に到着!ただ大変なのはこの先です。全く歩く気のない次男と、「てっぱく」のウキウキが止まらない長男。
さすがに「てっぱくにいこう」は借りた本なので持ってきませんでしたが、行きのJRの中では、本の情報をもとに、「運転シミュレーターをやってみたい、ミニ列車に乗りたい」などと目をキラキラさせて一生懸命に話しています。
「うんうん、やればいいよ」などと言っているうちに大宮駅に到着。さて、次はニューシャトルです。一駅区間しか乗車しませんが、徒歩20分の距離を子供2人連れで歩くのは無理。 おとなしくニューシャトル乗り場に向かいます。ニューシャトルのホームには、明らかに「てっぱく」へ向かうであろう子連れが何組かおり、「今までこの路線を普通に使っていた人達は、鉄道博物館ができてから混んじゃって大変だね」と夫と話していました。
鉄道博物館駅で下車すると、見えてきたのは大きな蒸気機関車。今日の日にちが書かれたプレートがあり、記念写真を撮るにはもってこいです。 さっそく数枚パシャっと撮影し、数メートル進むと入り口が見えてきます。
数週間「てっぱくにいこう」で勉強をしてきた長男、うれしさのあまりニコニコが止まりません。次男は今ひとつ良く分かっていないようですが、はしゃぐ兄と共に何となくはしゃいでいます。 そんな子供たちを見て、「連れてきて良かったな」と思うパパ&ママ。さっそく入ることにしましょう。
券売機
料金は税込みで一般1000円、小中高生500円、幼児(3歳以上未就学児)200円で、次男はまだ3歳の誕生日を迎えていなかったので4人で2200円。SuicaなどのICカードを使って入館料を支払うことができるようでしたが、1人1枚必要ということだったので、まとめて現金払いすることにします。料金を支払うと、入館用のICカードが出てきました。このカードで入場ゲートにタッチし、ついに「てっぱく」へGO!
入口
運転シミュレーターを体験
さて、入館後の行先は「てっぱくにいこう」で勉強してきた長男に任せます。 まず向かったのが入館して左手にあるシミュレーターホール。実物の運転台に座って、前方に映し出される運転台からの眺めを見ながら運転士さん気分を味わうことができます。
「電車でGO!」の本物版といったところでしょうか。京浜東北線、高崎線、山手線、新幹線の4種類が無料で体験できますが、どこも何人かが並んでおり、我が家は長男希望の京浜東北線に並ぶことにしました。
並びながらふと横を見ると、そこにはD51蒸気機関車のシミュレーターがあり、他のシミュレーターが年齢制限なく無料なのに対し、蒸気機関車を運転できるのは中学生以上で、料金は1回500円ということでした。
確かに狭い室内にたくさんの機械が配置されており、小さい子供がガチャガチャ扱ってしまうと壊れてしまいそうな感じではありましたが、500円とは驚きです。しかし、500円支払ってでもD51に乗りたいという人は後を絶たず、長い列はできないにしても絶えず誰かしらが運転していました。
しばらくすると息子の順番が回ってきました。 並んでいる間に、前の人が運転している様子をじっと見ていた長男。やる気満々のようで、もはや話しかけてもまともに返事が返ってきません。
運転シミュレーター
運転席の椅子に夫と一緒に座りマスコンハンドルを握ると、気分はすっかり運転士。じっと映像を見つめながら電車を動かしていきます。京浜東北線には乗ったことがないので、発車も停車も知らない駅でしたが、それでも満足な息子。
運転席
「ああ、本当に連れてきて良かったな」と浸っていると、いつの間にか抱っこしていた次男が寝ています。そう、ここからが大変なのです。 眠ってしまった体重12㎏の次男を抱っこしたまま、あちこち回らなければなりません。
眠った子供は起きている時の数倍重く感じます。ベビーカーの貸し出しサービスがあるようですが、我が家は念のため持ってきた抱っこ紐で対応します。 京浜東北線の運転を終え満足した長男に次の行先を聞くと、「もっとシミュレーターをやりたい」ということ。
「じゃあ並ぼうか」と他の電車をチェックすると、どこもさっきより長い列ができています。 このまま待っていたらお昼ご飯の時間になってしまいそうなので、できればそんなに待ちたくないな、と後ろを見ると新幹線のシミュレーターが他に比べると空いているようです。
「これはチャンス」と、混み出す前にササっと並び、10分程度の待ち時間で順番が回ってきました。再び夫と共に体験する長男ですが、この新幹線のシミュレーターは他の電車のシミュレーターと違い、必ず途中でトラブルが起こるようになっていました。
新幹線が走行中のトラブルに対してどのように対処できるようになっているのかを分かりやすく教えてくれる仕組みになっているようですが、駅までたどり着かずに途中で終了してしまうため、運転する気満々だった息子も夫も、何とも不完全燃焼な様子でした。 それならそうと、分かりやすく書いておいて欲しかったかな。
運転シミュレーターがすっかり気に入った長男。その後、帰る直前にも2路線運転したのでした。ちなみに、子供の満足度が高いのは良いのですが、とにかく待ち時間が長い。 運転したいという強い気持ちを持った長男はおとなしく待てましたが、次男はすっかり飽きてしまい、もう少しで脱走するところでした。
乗りたかったミニ運転列車
運転シミュレーターを終え、今度はどこへ行こうかと聞くと、ミニ運転列車を見に行きたいという息子。 実は、ミニ運転列車は小学生以上ということ。まだ5歳の息子は乗れません。 乗れないのですが、「来たからには見てみよう」ということでミニ運転列車のあるパークゾーンへ向かいました。
ミニ運転列車
ミニ運転列車は1周300メートルのコースを「スーパービュー踊り子」「高崎線」「成田エクスプレス」などの車両を自分で運転することができる、遊園地でいうゴーカートのようなもの。1回200円。 コースの周りにはキレイに整えられた芝生や木々が配置されており、見るからに楽しそうです。
「小学生になったら乗ろうね」と親も息子も我慢していたところ、明らかに小学生以下の子供が運転しています。 小学生以上の兄弟が同乗している様子もありません。「あれ?ひょっとしたら乗れるのかな?」と受付の方を見ると、係の方が「本日の整理券配布は終了しました」と言っています。
どっちにしろ今日は乗れないようですが、今後のために係の方に聞いてみると、「小学生以下でも大人と一緒であれば乗ることができる」ということでした。 「えー??そうなの?それならそうと書いておいて下さいよー!」今整理券が無くなったということなら、着いてすぐに整理券をもらいに行けば乗れたじゃん!
色々な思いが頭の中を巡りますが、文句を言ったところで今日乗れないことには変わりがありません。心の中でこっそりため息をつき、「また来ようね」と長男と約束をします。 そして、他の子が運転するミニ列車をしばらく見つめる息子。
「あ、あれ、運転したかったヤツだ!」「あれ本で見た!」と楽しそうにしている息子ですが、きっと悔しかったことでしょう。 もし、鉄道博物館に行く予定がある方は、小学生以下でも大人と一緒ならミニ運転列車に乗ることができるようなので覚えておいてください。
ただし、整理券は早くいかないと無くなってしまうようなので、着いたらまず最初に整理券をゲットして下さいね。
迫力の模型鉄道ジオラマ
「鉄道博物館」にはHOゲージのジオラマとしては国内最大級の大きさの模型鉄道ジオラマがあります。その大きさはなんと25m×8mで、ジオラマ内を様々な新幹線や蒸気機関車、JRの在来線が軽快に走り抜けます。
今まで、自宅近くの鉄道公園でジオラマを見たことはありましたが、こんなに大きなジオラマを見たのは初めてです。運転シミュレーターやミニ運転列車では、眠さもありさほど興味を示さなかった次男ですが、このジオラマには大興奮!ガラスにへばりつき、目の前を走る列車をじっと見つめています。名前を呼んでも振り向きもしない程です。
ジオラマの後ろ側には階段状に座席があり、毎日定期的にライブショーが行われているということです。私が行った時間はショーの約20分前。普段20分の時間をつぶすのには骨を折りますが、ここに居ればあっという間に開始時間になりそうです。
座席を確保し、ショーまでの時間はジオラマを眺めながら過ごします。周りを見てみると私たちと同じような小さい子供連れが多く、パパ・ママだけでなく、おじいちゃん・おばあちゃんも一緒に来ている家庭もありました。
さて、電気が薄暗くなり、いよいよライブショーの始まりです。テーマは大宮駅の歴史のようで、目の前にある模型だけではなく、天井からつり下げられたテレビも使いながら歴史をたどります。蒸気機関車が走ってた昔の大宮、そして新幹線が走っている現在の大宮の写真が解説と共に次々と出てきます。
幼児には難しい内容でしたが、ジオラマ内の電車が走り出すたびに「あれ知ってる!」「あ、連結してる!」などと嬉しそうに言っていたので、きっと楽しかったのでしょう。 ショーはおよそ10分程度で終了。さて、次はどこに行こうかと話していると、再びガラスにへばりつき動かなくなる次男。
長男も名残惜しそうにしていますが、いつまでも見ているわけにはいかないので切りの良いところで退室します。 実はこの模型、2階にある3歳までの子どもが利用できるキッズスペースと隣接しているので、じっとしていられない子供と一緒の場合はキッズスペースから観覧するのも良いかもしれません。
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まとめ
朝9時半に自宅を出て、鉄道博物館に着いたのが11時半。滞在時間は4時間。そこから再び2時間かけて帰ります。 4人で4時間楽しんで2200円、子供も大満足だったので我が家にとってはなかなか良いお出掛けスポットでした。
4時間のうち、いちばん時間を取ったのが運転シミュレーター。実際に運転する時間は3分程度ですが、何せ待ち時間が長い!前に並んでいるのが親子2人だけだと、「すぐに順番が回ってくるかな」、と思うところですが、親子によっては子供と大人がそれぞれ運転するので、予想の倍の時間がかかります。
これが遊園地などのアトラクションとの違いですね。親子で楽しめるというのがメリットですが、それに伴って待ち時間が長くなってしまうのがデメリットでしょう。私たちは平日に行ったので最長で40分待ちでしたが、きっと土日祝日はとんでもないことになっているのでしょうね。
幼児が楽しめる場所としては、運転シミュレーター、ミニ運転列車、模型鉄道ジオラマの他に、「てっぱくひろば」という広場があります。この広場には、E5系のスライダーや京浜東北線のジャングルジムなどがあり、体を動かして遊ぶことができます。
また、無料で乗ることができる新幹線をモデルにしたミニシャトルがあり、博物館中央駅~博物館北駅までの約230mの線路を往復します。 さらに、小学生までの子供を対象とした「図書室」では、鉄道に関する絵本等を親子で楽しむことができます。
さらにたくさんの展示があります。今は走っていない昔の車両の展示、鉄道の仕組みを勉強できる展示、運転士体験教室(有料・予約制)など、大人が楽しめるスポットも沢山あり、 子供から大人まで、鉄道好きにはたまらない内容になっています。
昔の車両の展示
ちなみに、一度だけでなく、何度も通いたい方のために年間フリーパスも販売しています。 そして、次回来るときはミニ運転列車の整理券ゲットです。次こそは、「長男に運転させてあげるぞ!」帰りの電車で爆睡する長男の寝顔を見ながら、そう心に誓うのでした。